TRICHORD 利用ガイド

  利用ガイドの目的

本ガイドはプロジェクト管理ツール「TRICHORD」の一連の操作方法を効率よく習得するために作成されたものである。TRICHRDの基本コンセプト、進捗確認の概念、プロジェクト計画、モニタリングの方法をTRICHORDの操作方法と共に解説する。

  目次

  1. TRICHORDによるプロジェクト管理の概念
  2. プロジェクト計画
  3. TRICHORDを使ったプロジェクト管理
  4. ニコニコカレンダーによるチーム状況の共有
  5. その他

  TRICHORD ヘルプ(オンラインマニュアル)

TRICHORD上部メニュー [ヘルプ]-[ヘルプ目次]を選択すると、TRICHORDオンラインマニュアルが開く。 TRICHORDで扱う概念(用語)、画面やメニューの操作方法などの説明がある。  

  1. TRICHORDによるプロジェクト管理の概念

TRICHORDはタイムボックス管理手法を用いて、プロジェクトの状態をタスクとタイムボックスという概念でとらえるプロジェクト管理ツールである。 プロジェクトの進捗状態はタイムボックスを一つのスコープとして、そのスコープ内で行われるべきタスクをプロジェクトメンバーが共有することで管理する。 プロジェクトの状態を逐次把握し、問題に対して迅速に対応することを目的としている。TRICHORDの操作方法を解説する前に、その基盤となる概念を解説する。

1-1. タイムボックス管理

タイムボックス管理は、一定の作業期間に区切られたタイムボックスと呼ばれる時間枠を設定し、その中で完了すべきタスクを割り当てることを基本とする。このタイムボックスが作業進捗状態を把握するスコープとなる。チームメンバーはそのスコープ内で対処すべきタスクの状態を管理する。

  図1. タイムボックス管理

タイムボックス内のタスクは、TODO(作業残)、DOING(作業中)、DONE(作業完了)の三つのステータスで管理される。 図のようにタイムボックス内のタスクのステータスをビジュアル化すれば未着手、作業中のタスクのボリュームを直感的に把握できる。

  図2. タイムボックス内のタスク

1-2. TRICHORDにおけるタイムボックス管理

TRICHORDでは先のタイムボックス管理手法をソフトウェア開発プロジェクトに適用するためタイムボックスの概念を拡張している。

1-2-1. フィーチャー、ストーリー、タスクによるタスクのグループ化

タスクは管理を容易にするため階層化されている。最上位はフィーチャーと呼ばれるもので、ソフトウェアが実現する機能や大きな作業項目を一つの単位とする。例えば前者は「マスターデータ管理機能」などであり、後者は「システムリリース作業」などである。

フィーチャーの下位にはストーリーが複数存在する。ストーリーはフィーチャーを実現するためのストーリーである。先の例で言えば、「マスターデータ管理機能」には、「マスター登録が出来ること」、「マスター変更ができること」、「マスター削除ができること」などのストーリーが存在する。

ストーリーの下位にはさらにタスクが存在する。タスクはストーリーを実現するために必要な具体的な作業項目である。例えば先のストーリーである「マスター登録が出来ること」では、「マスターデータベースのスキーマーを調査する」、「マスターデータ登録コードを書く」、 「マスターデータ登録用テストコードを書く」、「マスターデータ登録テスト」等の具体的な作業項目が挙げられる。

プロジェクト管理者もしくはプロジェクトメンバーは、作業計画立案においてフィーチャーからストーリー、ストーリーからタスクといった形で作業を細分化する。

1-2-2. リリース、イテレーションによるタイムボックスの分割

TRICHORDは作業状態をより把握しやすくするため、管理スコープであるタイムボックスを分割管理する。タイムボックスはリリース及びイテレーションに分類され、プロジェクトは大きなマイルストンであるリリースに分割される。 さらにリリースはプロジェクトを実際にモニタリングするスコープであるイテレーションに分割される。

  図3. タイムボックスの分割

1-2-3. かんばん

かんばん(かんばんボード)は、タイムボックスおよびタスクの状態を一覧するため、TRICHORDが提供する三種類のビューである。三種類のかんばんを簡単に説明する。

フィーチャーかんばん
図4のように、複数のリリースに分割されたプロジェクト期間全体の情報を表示することで、プロジェクト全体におけるフィーチャーの進捗状態を把握できる。 各リリースはそのリリース内で完遂すべきフィーチャーをカードメタファーで管理する。そのフィーチャーカード内の情報でフィーチャーのステータスを把握できる。

  図4. フィーチャーかんばん

ストーリーかんばん
図5のように、複数のイテレーションに分割された一つリリース内の情報を表示することにより、イテレーション内のストーリーの進捗状態を把握できる。 各イテレーションはそのイテレーション内で完遂すべきストーリーをカードメタファーで管理する。

  図5. ストーリーかんばん

タスクかんばん
図6のように、特定のイテレーションにおけるタスクのステータスを表示する。タスクかんばんはイテレーションをTODO、DOING、DONEという三つのステータスで区切り、 そこで完遂すべきタスクをカードメタファーで管理する。タスクのステータスはタスクカードの配置により一目で把握できる。

  図6. タスクかんばん

すべてのかんばん上のカードは、コンテキストメニューの「カードを大きく/小さく」によって、大きいサイズ(数値やグラフを表示)と、小さいサイズ(2行の名前のみ表示)を切り替えられる。 カードサイズはカードごとに変更できるので、特定のカードのみサイズを変更することも可能である。(図7)


  図7. カードサイズの異なるカード

  2. プロジェクト計画

タイムボックス管理は開発工程には依存しないため、それぞれの開発プロセスに合わせた形でフェーズ、タイムボックスおよびタスクのマッピングを行う。 以下では一例としてのプロジェクト計画の手順を挙げる。

全体計画時(リリースの計画とフィーチャーの計画)
プロジェクト計画時には全工程を必要に応じてリリースに分割する(1リリースが1プロジェクトでも構わない)。 次にリリースノート(リリースで提供すべき機能の一覧)に応じて、各リリースで実現すべき機能および作業項目をフィーチャーとして列挙し、リリースに配置する。

リリース計画時(イテレーションの計画とストーリーの計画)
各リリースの開始時にリリースをイテレーション分割する。イテレーションはおおむね一週間から二週間といった短いスコープの方がプロジェクトを把握しやすい。 次にリリースに割り当てられたフィーチャーをストーリー分割し、そのストーリーをイテレーションへ割り当てる。

イテレーション計画時(タスクの計画)
各イテレーション開始時にイテレーションに割り当てられたストーリーをタスクへと分割する。タスクをタイムボックス(イテレーション)へ配置する時には チームの問題処理能力を考慮する。計画時にタイムボックスからあふれるような計画をしてはならない。

  3. TRICHORDを使ったプロジェクト管理

先の解説を前提として、TRICHORDを使った具体的なプロジェクトの計画およびプロジェクトの管理を解説する。

3-1. TRICHORDの構成とインストール

TRICHORDの構成
TRICHORDはEclipse RCPベースのソフトウェアである。進捗状態はワークスペースと呼ばれるXMLドキュメント群で管理されている。 チームメンバーはプロジェクトの状態をファイル共有されたワークスペースを参照、変更することで管理する。 TRICHORDはこのワークスペースの変更検知機能、一貫性管理機能によって複数ユーザーからの更新をサポートする。

TRICHORDのインストール
TRICHORDはインストールモジュールをダウンロードし、そのモジュールを実行することでインストールを進める。

3-2. プロジェクトの作成とユーザー作成

ワークスペースの作成
インストール直後に「TRICHORDへようこそ」の画面が立ち上がる。操作を開始するためには右上の「TRICHORDをはじめる」をクリックする。

  図8. ようこそ画面

その後、図7のようなワークスペース指定画面が表示される。ワークスペースはプロジェクトの情報が格納されるXMLドキュメント群である。 新規で作成する場合、チームメンバーが全員参照更新可能なファイル共有スペースを指定する。既に作成済みのワークスペースを利用する場合にはそのワークスペースを指定する。

  図9. ワークスペースの作成(共有フォルダ)

現在、ワークスペースは共有フォルダ上に作成できる。共有フォルダにワークスペースを置く際は、ファイル選択ダイアログから選ぶか、テキストボックスに「F:commondirectory」などとワークスペースのパスを直接記述する。 詳しくは、ヘルプ(オンラインマニュアル)の[参照]-[ウィザードおよびダイアログ]-[ワークスペース選択]を参照のこと。

ユーザーの作成
TRICHORDはインストール直後にユーザーを作成し、個々のメンバーへIDを割り当てることで、タスクやニコニコカレンダーでユーザーを判別する。

  1. [メニュー]-[ウィンドウ]-[設定]を選択 (図10)
  2. 設定ダイアログで、[TRICHORD]-[ユーザー管理]を開いて、ワークスペースを利用するユーザーを登録する。(図11)

デフォルトユーザーの設定
TRICHORDで利用するデフォルトのユーザーを指定する。すでに登録済みのユーザーに切り替えるには、[ファイル]-[ユーザーを切り替える]を使って、登録済みユーザー一覧から自分を選ぶ。 これでワークスペースに対して自身のユーザーを割り当てることができる。

3-3. リリース、イテレーションの作成

ワークスペース作成直後は、何もない状態である。ここで、かんばんを作成するため、[メニュー]-[ファイル]-[かんばんを開く]を選択すると、図10のようにかんばんの雛型が表示される。

  図12. リリースの作成

フィーチャーかんばん
タブにはワークスペース名が表示される。「新しいリリース」という名前のリリースが一つ作成される。また、「新しいフィーチャー」という名前のフィーチャーが前記のリリース内に作成される。

ストーリーかんばん
タブには「新しいリリース」と表示される。「新しいイテレーション」という名前のイテレーションが作成される。ストーリーは作成されない。

タスクかんばん
タブには「新しいイテレーション」と表示される。タスクは作成されない。

3-4. リリースの変更、作成

あらかじめ作成された計画に沿って複数のリリースを作成する。ワークスペースタブをクリックし、フィーチャーかんばんを表示する。 新規作成時はあらかじめ設定された「新しいリリース」と命名されたリリースのみ表示される。ここでリリース名、リリース期間を変更するため、下部のプロパティービュー内のテーマ(リリース名)、リリースの期間を編集する。 なお、プロパティービューはかんばんのコンテキストメニュー「プロパティーの編集」を指定することで、切り離して常時好きな位置に表示させて編集できる。

  図13. リリースのプロパティ

リリースは、図12のようにパレット上のリリースアイコンをクリック後、かんばんをクリックすることで追加作成される。リリースの名前、リリース期間の変更は前述の手順で行う。

  図14. リリース作成前

図15はリリースを二つ作成した所である。

  図15. リリース作成後

3-5. フィーチャーの作成・変更

フィーチャーをフィーチャーかんばん上に作成する。パレットのフィーチャーアイコンをクリックし、フィーチャーを作成したいリリースを選択(クリック)することで、空のフィーチャーが作成される。 フィーチャーのプロパティー設定は、対象のフィーチャーをクリックすると表示されるフィーチャープロパティービューを更新することで実現する。

なお、プロパティービューはフィーチャーのコンテキストメニュー「プロパティーの編集」を指定することで、切り離して常時好きな位置に表示させて編集できる。
  図16. プロパティービューの編集

項目 説明 初期値
ID オブジェクトを識別する番号 連番
名前 フィーチャーの内容 新しいフィーチャー
状態 フィーチャーの状態(TODO/Doing/DONE) Todo
全ストーリーサイズ 関連づいている全てのストーリーの合計ポイント 0.0
全完了ストーリーサイズ 関連づいている完了しているストーリーの合計ポイント 0.0
完了率 関連づいているストーリーの完了率 0.0%
期限 フィーチャーの完了期限 リリースの終了
フィーチャーカードの色 白(RGB {255,255,255})
タグ フィーチャーカードのタグ
備考 フィーチャーの備考欄
  表1. フィーチャーのプロパティ

3-6. イテレーションの作成、設定

イテレーション設定
プロジェクトをリリース単位で分割した後、各リリースをイテレーション単位で分割する。フィーチャーかんばん上の該当リリースをダブルクリックすることでリリースに対応するストーリーかんばんが開く。 ここでは既に作成されている「新しいイテレーション」という名のイテレーションが一つ存在する。このイテレーションをクリックすることで、下部に該当イテレーションのプロパティービューが開く。ここでイテレーションの名前などを変更する。

  図17. イテレーションのプロパティビュー

項目 説明 初期値
ID オブジェクトを識別する連番 連番
テーマ イテレーションのテーマ 新しいイテレーション
期間 イテレーションの期間(開始〜終了) 直前のイテレーションの期間終了日の翌日から一週間
速度 完了したストーリーのサイズの合計 0
ストーリーサイズの合計 ストーリーのサイズの合計 0
タスクの見積りの合計 イテレーションに含まれるタスクの見積りの合計 0
タスクの残量の合計 イテレーションに含まれるタスクの残量の合計 0
  表2. イテレーションのプロパティ

イテレーション作成
新規にイテレーションを作成する場合はパレットのイテレーションアイコンをクリック、次にストーリーかんばんの空き部分をクリックし イテレーションを作成する。ここで必要な分だけイテレーションを作成する。

3-7. ストーリーの作成、設定

ストーリーの作成
前述のストーリーかんばん上にストーリーを作成する。パレット上のストーリーアイコンをクリックし、次にストーリーを作成したいイテレーションをクリックすることでストーリーが作成される。 これを必要な数だけ繰り返す。

  図18. ストーリーかんばん

ストーリーの設定
ストーリーかんばん上の該当ストーリーをクリックすることで下部に該当ストーリーのプロパティービューが開く。ここでストーリーの名前などを変更する。 設定項目上のストーリーのサイズはそのストーリーを実現するためにかかる作業ポイント数である。このポイントはプロジェクトの管理指針により時間を単位としたり、 日を単位とするなど独自に設定する。通常はストーリーを実現するのにかかる日数を入力する。

項目 説明 初期値
フィーチャー名 このストーリーを含むフィーチャー このリリース内のデフォルトフィーチャー
ID オブジェクトを識別する番号 連番
名前 ストーリーの内容 新しいストーリー
サイズ ストーリーのサイズ 1.0
タスクの見積りの合計 このストーリーに関連づいているタスクの見積もりの合計 0
当初のストーリー リリースの始まる前に作成したストーリーかどうか true(初日以降はfalse)
状態 ストーリーの状態(Todo/Doing/Done) Todo
ストーリーカードの色 白(RGB {255,255,255})
タグ ストーリーカードのタグ
備考 ストーリーの備考欄
  表3. ストーリーのプロパティ

3-8. タスクの作成、設定

プロジェクトでモニタリングすべきタスクを設定する。タスクは上位の概念であるストーリーにひとつに対して、複数関連づけられる。 現場では、このタスクで進捗を確認する。

タスクの作成
ストーリーかんばん上に複数表示されているイテレーションのうち、タスクを作成したいイテレーションをダブルクリックすることでタスクかんばんが開く。 タスクかんばんはTodo(残作業)、Doing(作業中)、DONE(作業完了)の三区画に分かれている。タスクかんばんへのタスク追加はパレットのタスクをクリックし、その後Todo区画をクリックすると作成できる。 複数作成するためにはシフトキーを押しながら連続でクリックする。

  図19. タスクかんばん

タスクの設定
タスクには関連づけられたストーリー名、タスク名、見積りを設定する。設定したいタスクを選択すると下部のプロパティービューに該当タスクが表示される。 ストーリー名は、リストからタスクの上位ストーリーを選択する。見積りは作業ポイント数である。このポイントはプロジェクトの管理指針により時間を単位としたり、日を単位とするなど独自に設定する。 通常はタスク遂行にかかる見積り時間を入力する。色は設定可能ではあるが、上位ストーリーに割り当てた色がタスクカードの左に設定されるため、その色でグルーピングされる。 複数のタスクで共通する値になる項目がある場合、一括設定もできる。パレットから囲み枠を選択し、複数のタスクを枠で囲む。その後プロパティービューの項目を操作すれば一括入力がなされる。

項目 説明 初期値
ストーリー名 このタスクが関連づけられているストーリー
タスク名 タスクの内容 新しいタスク
状態 タスクの状態(Todo/Doing/DONE) タスクを作成したレーンの状態
残量 タスクの残量 1.0
見積 タスクの見積り 1.0
実績 タスクの実績
当初のタスク イテレーションの始まる前に作成したタスクかどうか true(初日以降はfalse)
サインアップ タスクに着手したユーザー
作成日 タスクを作成した日付 現在日付
着手日 タスクに着手した日付
完了日 タスクを完了した日付
期限 タスクを完了する期限の日付
チケットURL カード化したTracチケットのURL
タスクカードの色 白(RGB {255,255,255})
タグ タスクカードのタグ
備考 タスクの備考欄
  表4. タスクのプロパティ

3-9. プロジェクトの進行とモニタリング

TRICHORDでは進行中のプロジェクトのステータスを各かんばんで管理する。

タスクかんばん: 日々のタスクの進捗を管理
ストーリーかんばん: イテレーション全体のストーリーの進捗を管理
フィーチャーかんばん: リリース全体のフィーチャーの進捗を管理

3-9-1. タスクの管理

タスクはかんばん中のタスクカードを移動することでTodo、Doing、DONEのステータスに変更する。プロジェクトメンバーおよび管理者はかんばんを確認することで残タスク、対応中タスク、そのボリュームを認識する。 またタスク残量の推移をバーンダウンチャートで把握する。バーンダウンチャートは日々のタスク残量をプロットし、右肩下がりの折れ線グラフで表示する。プロジェクトメンバーおよび管理者は、グラフの下がり方を見ながら 進捗の推移を把握する。またオプションの期限を設定することで、期限付きのタスクに時計アイコンが表示され期限付きを一目でわかるようにしている。

タスクかんばんの操作
タスクステータスを変更するため、作業期間に割り当てられているタスクかんばんを開く。設定直後はすべてのタスクカードがTodoに置かれている。 プロジェクトメンバーは自身のタスクについて作業を開始した場合、該当タスクカードをTodoからDoingへ移動する。ここでタスクのプロパティーが自動更新される。 タスクの着手日に操作した日付が入り、サインアップ欄に操作したメンバーのIDが設定される。

  図20. タスクかんばんとカード

タスクの作業日が複数日にまたがる場合、より詳細に管理したければ、残量にあとどれくらいかかりそうかという情報を入力する。 またタスクの作業中に起こった特記事項をコメントとしてタスクに付与したい場合は、カードの裏側にコメントを記入できる。 カードを裏返すためには裏返すアイコンをクリックする。カードの裏側を直接編集することでコメント入力が可能となる。(コメントはプロパティービューの備考欄でも入力可能)

  図21. カードを裏返すアイコン

カードの操作は、裏返しの他に集合整列や格子整列、複数選択があり、それぞれアイコンで操作可能だが、TRICHORDはマウスのジャスチャーで操作を実現する。 操作方法についてはマニュアルのマウスジェスチャーを参照されたい。
タスク終了時は該当タスクカードをDoingからDONEへ移動する。ここでタスクカードの完了チェックが表示され、DONEへ移動した日が完了日に設定される。また作業残量がゼロとなる。 必要に応じて実績プロパティーへ実績ポイントを入力する。このようにタスクのステータスを逐次変更し、メンバーがかんばんを元にタスクの状態を常に把握し、長時間作業中であるタスク、長時間未着手タスクについて問題があればアクションをとる。

複数人でのタスクの操作
タスクかんばんは、通常は複数のユーザーによって更新される。そのため、タスクかんばんにのみ複数人で同時にかんばんを操作するためのマージ機能を用意している。 この機能は、1つのタスクかんばんを複数人で編集している場合に、他の人が追加変更したタスクの情報をマージして取り込むというものである。 同じタスクを変更していない場合は、TRICHORDで何らかの操作をしたタイミングで他人の変更を取り込むことができる。設定で自動マージを有効にすると、 一定秒ごとにタスクかんばんの変更を自動的に取り込むこともできる。自動マージの設定についてはマニュアルの「設定-TRICHORD」を参照されたい。

自動的にマージできない場合、つまり自分が編集しているタスクを他人が編集した、あるいはイテレーションの期間変更がされた場合には、変更の衝突という扱いになり、 図22のダイアログが表示される。OKボタンを押下すると、自分の編集を破棄して他人の編集を取り込むことになる。キャンセルした場合には、カードに図23のようなアイコンが 表示され、衝突したタスクが分かる。

  図22 変更の衝突を示すダイアログ


  図23 変更の衝突を示すカードのアイコン

タスクの一覧表示
かんばん上にカード形式で表示されている各タスクを、図22のように一覧表示できる。タスクかんばんの一覧タブをクリックすると表示でき、 主に過去にさかのぼって、残量を入力したい時に使用する。このビュー上ではタスク名や残量の変更はできるが、タスクの新規作成などはできない。

  図24 タスクの一覧表示

タスクの検索
特定のタスク(ストーリー、フィーチャー)を調べたい場合は検索機能を利用する。[メニュ]-[検索]を選択して表示されるダイアログで検索条件を設定して、実行する。 検索結果はかんばんの下部に表示される。デフォルトの表示は、階層形式(図25)であるが、リスト形式(図26)で表示することもできる。 リスト形式にする場合は、図26の赤枠にあるリストアイコンをクリックする。リスト形式の場合、リスト上のデータを選択・コピーし、Excelへペーストすることで集計用データとしても活用できる。 詳しくはマニュアルの「カードを表形式のフォーマットでExcelに貼り付ける」を参照されたい。
  図25 検索結果の階層表示

  図26 検索結果のリスト表示

ことツリーによるフィーチャー/ストーリー/タスクの関係把握
TRICHORDは、かんばんがそれぞれ別れているためフィーチャー/ストーリー/タスクの関係をかんばんから読み取ることは難しい。 その関係を把握するビューが、「こと」ツリーである。通常、左ペインにはアウトラインが表示されている。ここで、「こと」タブをクリックすると「こと」ツリーが表示される。 ことツリーには、フィーチャー/ストーリー/タスクの階層関係が表示されており、ツリー上のフィーチャー/ストーリー/タスクをダブルクリックすると、該当するかんばんが開きフォーカスがあたる。 ことタブが表示されない場合は、かんばんアイコン(かんばんの右上)を右クリックし表示されたリストからリセットを選択するとビューがリセットされ、ことタブが表示されるようになる。
  図27 ことビュー

デイリーバーンダウンチャートによるイテレーション内の残タスク把握
作業残の遷移はバーンダウンチャートとして表示される。毎日の作業残をグラフ化したバーンダウンチャートは、図28のように左側にデイリーバーンダウンチャートとして 表示される。チャートは縦軸が作業残の総数、横軸が日付で残工数をプロットする。チームメンバーおよび管理者はこのチャートを追うことで作業の傾向を把握する。 また、バーンダウンチャートはCtrl+Mなどで最大化できる。

  図28 デイリーバーンダウンチャート

3-9-2. ストーリーの管理

リリース内のストーリーは、ストーリーかんばんとイテレーションバーンダウンチャートで作業の進捗を管理する。

ストーリーかんばんによるストーリーの管理
ストーリーかんばんは、ことツリーからの選択もしくはフィーチャーかんばんの該当リリースをダブルクリックして開く。 ストーリーかんばん内のストーリーカードは、配下のタスクが全て終了したときに図29のように完了表示に変わる。 また進行中のストーリーは循環する矢印で表示される。(進行中とは配下のタスクのうち、少なくとも一つがDoingになっているものを指す。)

  図29 ストーリーかんばん

イテレーションバーンダウンチャートによるストーリーの進捗確認
リリース内の残ストーリーはイテレーションバーンダウンチャートとして表示される。イテレーションバーンダウンチャートは各イテレーション中の残ストーリーをグラフ化したものである。 縦軸に残ストーリー(ストーリー作成時に設定したサイズの積み重ね)、横軸にイテレーションをとり、イテレーション中で完了するストーリーをプロットする。ストーリー中の全タスクが終了した場合、 サイズ分だけ残ストーリーが減り、チャートに反映される。イテレーションバーンダウンチャートは図30のようにj左側に表示される。 管理者はこの図を追うことでより大きなスコープで作業の傾向を把握できる。また、イテレーションバーンダウンチャートはCtrl+Mなどで最大化できる。
  図30 イテレーションバーンダウンチャート

3-9-3. フィーチャーの管理

フィーチャーかんばんによるフィーチャーの進捗管理
フィーチャーカードでは配下のストーリーの進捗を一目で把握できるように、フィーチャーカードに配下のタスクの状態を把握するため、以下のようにステータスを色で表している。 また進捗の度合いを把握するためのグラフを備えている。本ビューは主に複数プロジェクトを管理するプロジェクトオーナー、プロジェクト管理者が利用する最上位のビューである。 フィーチャーカード上に表示される数字 x/yは、xが配下にあるストーリーの完了ストーリーサイズ合計、yは配下にあるストーリーサイズ合計である。 ストーリーサイズと完了ストーリーサイズの割合によってカード上のグラフが変化する。

イメージ 下部の色 説明
Todo_feature 白色 未着手(Todo)のフィーチャー
Doing_feature 空色 作業中(Doing)のフィーチャー
DONE_feature 緑色 完了(DONE)のフィーチャー
AT_feature 赤色 期限を過ぎたが完了していないフィーチャー


  図31 フィーチャーかんばんのステータスバー(パーキングロットチャート)表示

  4. ニコニコカレンダーによるチーム状況の共有

ニコニコカレンダー[1]は、チームメンバーの定性的な状態を「良い、普通、悪い」の三つに分け、日記のような形で各自が状態を入力するものである。 図32のように数値化できないチーム内の雰囲気を共有できる。TRICHORDの「パースペクティブを開く」アイコンをクリックすることで縦軸にメンバー、横軸に日時が表示されているニコニコカレンダーパースペクティブが開く。

  図32 ニコニコカレンダー(オリジナルアイコンにカスタマイズ済み)

該当日をダブルクリックすると図31のように設定画面が開き、状態とショートコメントを入力できる。設定したショートコメントはカレンダーの各マークにフォーカスを当てると表示される。 また、他のメンバーなどがコメントを付加することも可能だ。このカレンダーはチーム全体のムード、傾向などをチームメンバー全員で共有し、また相互にコメントを付与することでコミュニケーションをさらに深める。 カレンダーで利用する各メンバーの画像及びステータスのアイコンはカスタマイズできる。カスタマイズ方法はマニュアルを参照されたい。


  図33 アイコンを貼り付けるダイアログ(カスタマイズ済み、ノーマル)

[1] http://www.geocities.jp/nikonikocalendar/

  5. その他

複数プロジェクトの状態参照 Web Reportの利用
TRICHORDはバーンダウンチャートやタスク一覧を WEBコンテンツベースで参照するためのツール、WebReportを提供している。 WebReportは、独立したプログラムで指定されたワークスペースファイルを読み込み、指定の場所へHTMLファイルを生成する。 ワークスペースファイルは複数設定でき、それらを一つのWEBコンテンツから選択参照することが可能である。 WebReport はTRICHORDがインストールされているフォルダ配下に格納されており、コマンドライン及びGUI設定の二種類の操作が可能。詳細はマニュアルを参照されたい。

Tracとの連携
チケット管理で広く利用されているTracのチケットをTRICHORDのタスクとしてかんばんに取り込み、かんばんの視覚的効果を使った状態の遷移、 完了状態のリポジトリへの反映を行うことができる。詳細はマニュアルのTracの項を参照のこと。

マインドマップ連携
TRICHORDはastah* professionalおよび astah* think!のマインドマップと相互に連携することができる。 TRICHORDのカードをastah*のマインドマップへ貼り付け、astah*のマインドマップからTRICHORDのかんばんへ貼り付けるなどの操作を可能とする。詳細はマニュアルのマインドマップ連携を参照のこと。


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